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BkASPil Plug-In β版 解説頁

この頁は BkASPil Plug-In β版の試用者(協力ユーザ)に向けた解説頁です。

β版はb2antispam 共有フォルダからダウンロードできます.HTML版ReadmeはBkASPil for Becky!2 Readme Ver0.100 HTML版を参照して下さい.

BkASPilのフィルタリングシステム基本概念

このフィルタリングシステムは「spam受信者同士でspam情報を共有化し、フィルタリングに活用する」こと基本コンセプトとしてBNR32氏による開発が始まりました。上のような概念を「ユーザ間情報共有型フィルタリング」と呼びましょう。

ユーザ間情報共有型フィルタリング

ユーザ間情報共有型フィルタリング

上記フィルタリングシステムで鍵になる要素の一つは、spamに関するどんな情報を共有するのか、という点だと思われます。旧版のantispamプラグインでは「差出人メールアドレス」を共有していました。しかしながら、差出人メールアドレスは送信者が自由に設定できるため、spamメールを特定する情報としては適切ではありませんでした。特に英文英文spamでは、差出人メールアドレスを個々に変えながら送信することがほとんどで、これらのメールに対して効果を上げることができませんでした。

リニューアルしたBkASPilプラグインでは、「IPアドレス」というものを共有することにしました。IPアドレスは、サーバー毎に割り振られた固有のもので、通信を行う時の「住所」に相当するものです。IPアドレスはインターネットとの接続を変えない限り変更することができないため、spamメールの発信源を特定するのに適しています。BkASPilプラグインは、共有する情報を「差出人メールアドレス」から「IPアドレス」へ変更する為にリニューアルされたと言っても過言ではありません。

詳しい説明に関しては、spamフィルタの仕組みページをご覧下さい。

BkASPilのフィルタリングシステムに関する検討課題

開発チームが制作を進めるに当たり、3つの検討課題が出されています。

  1. IPアドレスによりspamメールを判別することによる問題(冤罪問題)
  2. 外部のDNSBL(ブラックリスト)に頼る問題(未登録spam処理の問題)
  3. 特定アンテナの問題

当システムと誤判定(冤罪、判定失敗)

当システムと誤判定(冤罪、判定失敗)

まず1つ目の課題ですが、IPアドレスをspamの判定として使用するため、spamと同じメールサーバーを経由したものは、全てspamと判定されてしまいます。
この問題がどうして発生してしまうのかは、判定ミスの理由で詳しく説明されていますので、参照してください。

次に2つ目の課題ですが、これを述べるには情報提供されたIPアドレスの利用方法に関して理解する必要があります。現在の段階では「spam申請が行われたIPアドレスが、外国で提供されている複数のブラックリスト(DNSBL)のどれかに入っていたらspamとしての登録を行う」という方針を立てていいます。
spamフィルタの仕組みページにて図解されています)
このようにしているのは、spamかどうかの判定(spam判定)を海外のブラックリストに任せることで、間違ったspam登録を防ぎ、管理者側の負担と責任を軽減するためです。しかし、同時にどんなに多くの人がspam登録を行っても、海外のブラックリストに登録されない限り、プラグインの処理には反映されないという問題があります。
この問題に対しては、SpamCop を利用し、SpamCop のDNSBLを見に行くことで、ある程度解決するのではないかと考えています。

3つ目の課題は、「どのようにして多数のspam情報を得るか」という問題です。ブラックリストに多数の数の「IPアドレス」が登録されなければ、良好なフィルタリング結果は得られません。そこで、情報の収集を補うために、「特定アンテナ」という概念を考えました。

  1. spamを特に多く受け取る人のメールから自動的に情報を取り込む  
  2. DNSBLで公開されている、最近新たに加えられたIPアドレスのリストを取り込む

特定アンテナの概念

特定アンテナの概念

この仕組みは、spamフィルタの仕組みページでも解説されています。

β版では、これらの特定アンテナによる効果がどの程度あるのか検証するため、最初の1週間を特定アンテナ無しの状態で運用します。

β版の運用目的

β版を運用する目的には以下のようなものがあります。

このシステムは試運用にせよ、実運用にせよ、なるべく多くの人々の間で情報を共有しなければ効果が判定できません。初期のテスト版α版の試運用は開発チーム内で行ったものですが、人数の少ない開発者チーム内では共有できるspam情報量に限界があります。
そのため、α版試運用では、spamを特に多く受け取っているという沢渡みかげ氏に情報提供の協力をして頂きました。すなわち、みかげ氏に御自身が受信したspamの情報を提供して頂きました。みかげ氏のメールに対して特定アンテナの仕組みを使い、自動調査し、ブラックリストを生成するようにして試験を行いました。当チームメンバー(BNR32氏・香澄氏・高崎)が効果を検証したところ、高崎氏の環境では、以下のような結果となりました。

高崎氏の結果

これを見て頂くと分かるように約70%のフィルタリングに成功しています。ただし気を付けなければならないのは、みかげ氏の提供するspam情報を使ったα版運用は、本来このシステムが目指しているユーザ間情報共有よりも、みかげ氏という「特定(個人)アンテナ」の情報利用の有用性が確認できた、という面が強いということです。

開発チームとしては今後の正式運用、またその後のシステム改善などを行う際に「特定アンテナ」を使わない場合の「ユーザ間情報共有型」がどれくらい有効なのかを把握しておくことが必要と考えています。
最後の項目を確認するため、β版はあえて効果の見込める特定アンテナを導入しない状況でテストを行います。最初は全くフィルタリング出来ない可能性が高いですが、ご協力をお願いいたします。

利用前の注意(Becky!のVerUpが必要です)

このシステムを開発するにあたり、Becky!IntenetMail側のプラグインAPIの機能拡張が必要になりました。
そのため、BkASPil プラグインを使用するためには、Becky! InternetMail Ver 2.05.12 以降が必要です。

Becky!InternetMailページから、最新版をインストールした上で、このプラグインを御利用下さい。

β版と正式公開版の違い

正式版と以下の点が異なります。

β版の運用期間

特定アンテナ無しの状態で1週間運用し、その後特定アンテナを導入し、更に1週間程度のテストを予定しています。正式公開の時期は、βテスト中に発生する問題事項等に依存します。

β版使用における皆様へのお願い

可能な範囲で以下の御協力をお願います。

特に、spam登録を行って頂けないと、効果やバグの洗い出しなどのテストができませんので、是非ご協力をお願いします。

問い合わせ

お問い合わせは BkASPil 開発チーム までお願いします.