spam処置依頼とはなんでしょうか?
spamの性質は郵便チラシや郵送ダイレクトメールと比較されがちです。郵送ダイレクトメール広告やチラシは社会的に黙認され、あまり問題視されていない国が多いことから、電子メールのダイレクトメールすなわちspamに対しても「無視と削除」のアドバイスが基本的に行われてきました。
しかしながら電子メールというツールは郵便とは様々な相違点があり、一方的な広告送り付け問題が極めて深刻化する性質を持っている為、同一に論じられるべきではありません。そこでspam行為に関しては送信に関係したサーバのネットワーク管理者が対処をするということが基本的なルールとされてきました(RFC2635など)。
また、「spam発信者はモラルが低く、たとえ受信者が今後の送信を止めて貰うように頼んでも発信者は守らない」「さらに悪質な場合にはspamを一層送ってくる」という傾向があったことも、連絡すべき先はspam発信者ではなく、spam発信者が利用したメールサーバの管理人であるべきとされきた理由です。
ところが電子メールの場合、発信に利用されたサーバの管理者を見つけるというのはそれほど簡単な行為ではなく、メールヘッダの読み方やインターネット上で公開されているWhoisデータベースの利用法を知っていなければ困難なものです。当プラグインは「発信に利用されたサーバの管理者を見つける」という行為を支援し、spam処置依頼を効率的に行う機能を持っています。
さらに、スパム問題が深刻化するにつれ、状況は少しずつ変化しています。2003年現在、spamの処置(具体的にはスパム発信者への処置)を依頼する先として以下のようなところが一般化しています。
まず1番に関しては前述のように「spam発信に利用されたネット業者(正確に言えばspam発信に利用されたサーバのネットワーク管理者)は対処すべし」という認識がほぼ世界レベルで形成されています。以前の日本のネット業者の中にはインターネットに不案内で、従来の通信事業と同レベルでしか考えられない業者などが対応を拒否する場合がありましたが、そのような憂うべき事態も少なくなっています。
次に2番に関してはスパムの抑止、撲滅を考えたときに
「宣伝されるものがあるからスパムが発信される」
↓
「宣伝されるものを無くしてしまえば取りあえずスパムを送る意味がなくなる」
↓
「スパム行為を停止する可能性がある(特に次にサイトを用意するまで)」
という発想から一般的に広まったものです。しかしこれに関しては冤罪の危険性などから対処は困難であると主張する人々もいます。
そして3番に関してはスパム問題の深刻化した各国で、政府による情報収集機関が指定、設立されるようになった結果としての「苦情先」「通報先」です。
上のように、スパム発信者に対し短期的・中長期的な対応が出来る機関への連絡を、このプラグインでは「spam処置依頼」と呼んでおり、Becky!を使い、速やかにそのメールを送ることがこのプラグインの機能の一つになっています。なお、ネット業者におけるspam処置依頼先のことを「abuse窓口」などと呼んでいます。
SpamCopは上記の1番と2番への処置依頼(報告)を支援する外国のシステムです。
この解説書では当プラグインを使ったspam処置依頼のうち
の4つの場合についてそれぞれ手順を説明しています。