BkASPil(ビーケーアスピル)はWindows用メールソフト「Becky!InternetMail」(ベッキーインターネットメール)向けに作られたスパム対策用プラグインです。(用語解説:スパム、プラグイン)
その機能は大きく二つに分かれています。
■A:spamフィルタリング機能
メールを受信する際、spamメールだけを指定のフォルダやごみ箱フォルダに振り分ける機能です。
当プラグインでのフィルタリングは「ユーザ同士でspamメール情報を共有化する方式」と「spamメールの内容を分析・解析して『spamらしさ』を判定する方式」の二つの方式から行っています。
「ユーザ同士でspamメール情報を共有化する方式」とは、spamを受け取ったユーザからの情報などを用いて共有データーベースとしてのspamブラックリストを作成し、そのリストを用いて同類のspamメールを他のユーザがspamと判定できるようにするものです(この方式を「ブラックリスト参照方式」と呼んでいます)。
「spamメールの内容を分析・解析して『spamらしさ』を判定する方式」とは、以前に受け取ったメールの内容をベイズ理論というもので分析・学習し、そのデータベースを用いて新しく受け取るメールがspamであるかを判定する方式であり、一般に「ベイジアンフィルタ」と呼ばれています(当プラグインでも「ベイジアンフィルタ方式」と呼びます)。
この方式のフィルタリングは2003年以降の各種spamフィルタリングで多く採用されるようになっています。
(用語解説:フィルタリング、ブラックリスト、ベイジアンフィルタ)
■B.spam処置依頼メール作成支援機能(SpamCop宛メール作成支援機能を含む)
spamを受信した時のアドバイスとして日本では「無視と削除」を勧められることが多いようです。
その一方で、海外を中心として
「spam送信に利用されたネット業者に通報し、spam発信者とその行為に対処をするよう依頼しましょう」
というアドバイスも行われてきました。ネットワーク管理者(ネット業者)はspam受信者からの通報を元にspam発信者に各種の対処を行い、spam抑止に向けて日々取り組んでいます。(用語解説:ネットワーク管理者、ネット業者、spam処置依頼)
spamメールはその性質上、受信した本人でなければ真っ当な大量配信メールと区別することがなかなか困難です。加えてメールの検閲は行われるべきでないという認識が一般的であるため、spamが発信されたかどうかはspam被害者(受信者)から提供される連絡・報告が重要な情報源となります。
(→参考:参考資料「spam処置依頼メール送信の正当性」)
しかし残念なことに、スパム受信者が「受け取ったspamそれぞれの適切な処置依頼先」を見つけることは、必ずしも簡単ではありません。なぜなら電子メールでは差出人メールアドレスを詐称することが可能であり、メールを一見しただけでは発信者がどこのサーバを使ったかが分からないからです。
当プラグインのBの機能は個々のspamに関する正しい処置依頼先を見つけ、そこに処置依頼メールを送ることを支援し、容易にする機能です。