GeekToolsWhois日本語版の使い方

 ここではインターネットにおいてIPアドレスからその管理を調べるツールGeekToolsWhois(日本語版)の解説をしたものです。

 GeekTools日本語版は、世界中に分散しているいくつかのWhoisデータベースを参照するので、いつも決まった形式で表示されるとは限りません。また、外国のデータベースの場合には英文で表示されます(韓国のデータは英語と韓国語両方で表示されます、文字化けするように見えるかもしれませんがブラウザで韓国語コードを選択するとハングル表記になります)。

 外国の場合に英文のデータベースだからといって躊躇う必要はありません。データベースにしか過ぎませんから覚えてしまえば読解力など必要ありません。まず、必ず覚えておくべきことは

技術連絡担当者
技術管理者
Technical-Contact
Tech-C
Tech-Email

などの肩書きのついている人々のメールアドレスを探すことです。これが適切な処置依頼先です。

 あるいはそれらがない場合には会社の代表メールアドレスでも構いません。場合によっては「spamなどの悪用に関する連絡はXXXXXへ」などとデータベースの中にわざわざ明記してある場合もありますので、その場合にはそのメールアドレスが見つけるべき処置依頼先アドレスです。

 注意すべきことは「データベースに載っているメールアドレスなら何でも良い」とは限らないことです。たとえば
「通知アドレス」
notify: 
changed: 
などのメールアドレスは適切な処置依頼先ではありません。それから
IANA
RIPE
APNIC
ARIN
などの組織名あるいはそれらを含むメールアドレスが出てきた場合には適切でない確率が極めて高いのでそこに苦情(処置依頼)を送ってはいけません。調べたIPアドレスに問題がある可能性があります。


5.1 パターン1

 ではまず日本語で出た場合を見てみましょう。右図のように出る場合があります。この時、ネット業者が二段になっています。

 右ではぼかしていますが、それぞれの会社名が書いてあり、その右にIPアドレスが併記されています。これはそれぞれの会社の所有IPアドレスであることを示しています。

 このように二段になっているのは上流と下流に分かれている場合です。基本的には両者の会社に同報配信で処置依頼を送るのが良いですので、両者とも調べます。

 次に右のIPアドレスからリンクが張ってありますのでそこをクリックします。
 

 

そうしますと上図のように業者の組織名などのデータが出てきます。この中で「技術連絡担当者」に注目しますが、そこで書いてあるのはおそらくまだメールアドレスではなく、ハンドルネームと呼ばれるものです。

 そこもリンクになっていますので、クリックします。そうすると右図のようになり、今度はその管理者に関するデータが出てきます。

 通常はその「メールアドレス」という欄にメールアドレスが記述してありますので、そこが苦情先(処置依頼先)ということになります。

 上流と下流の業者がある場合に、下流の業者にはメールアドレスが登録されていない場合もあります。その場合には上流の登録先にだけ送ります。

 下流にメールアドレスが載っている場合でも、最初に戻って上流の技術連絡担当者のメールアドレスを調べましょう。


5.2 パターン2

 次に外国の例を見ていきましょう。なお、画面の色が実際と違うのは無視して下さい。外国の結果の代表的な一つに以下のようなパターンがあります。

 ハンドルネームとの関連が若干複雑ですが、まず左図で言うと2の所で、緑で囲った管理責任者青で囲った技術連絡担当者のハンドルネームを確認します。で、この人達のデータがどこにあるかというと、実は下の方に続けて、それぞれの人の名前や連絡先が書いてあります。

 左の場合、管理責任者と技術連絡担当者が一人づつおり、3の表示が2の青い囲みと等しいことからその人が技術連絡担当者であることが分かります。その人のメールアドレスが正しい処置依頼先です。

 なお注意すべきは1の部分、すなわちこのネット業者の担当範囲があまりに広い

[203.000.000.000]−[203.255.255.255]

などの場合には何かの間違いで、IPアドレスの管理機関のデータが出てしまった可能性があります。「netname」などを見て、企業らしいことを確かめます。

 


5.3 パターン3

 また、もっとシンプルで会社とその住所や連絡先、サーバ管理人とそのメールアドレスが書いてある場合もあります(右)。


 ただし、この場合には日本と同じように上流と下流に分かれている場合もあります。そのような場合には最初に左のようにでます。ぼかしていますけれども、

ネット業者名(記号の羅列)

というのが二段になっており、その記号の羅列部分をクリックすると、上のような、それぞれの会社のデータが出てきます。メールアドレスもそこに載っているはずです。

 日本の時と同じように上流と下流の両方のデータベースからメールアドレスを見つけだします。

 


 なお、前述しましたが、外国のデータベース(5.2、5.3のパターン)の場合には「spamなどの悪用に関する連絡はXXXXXへ」などと明記してある場合もあります。特にスパムの処置依頼に関しては

abuse@ujauja.com

などのメールアドレスがスパムなどの処置依頼先になることが多いです(abuse窓口)。

 GeekToolsの日本語化にあたり、「abuse」の文字周辺は赤字で表示するようにしてありますので、赤字の文字には注意して下さい。上で述べた「技術連絡担当者」や「Tech-C」の文字も赤字で表示されるようにしています(なお、単にそれらのキーワードが赤くなるようにしてあるだけですので、本当に正しい処置依頼先とは限りません。上で述べた手順で沿って、きちんと探して下さい)。

 以上がGeekTools結果(Whois)結果での、処置依頼先メールアドレスの見つけ方です。


目次
このページの最新版をオンラインで見る(画像付き)

前の頁
次の頁