フィルタリングマネージャのルール別「タイミング」設定の活用について

 標準のフィルタリングマネージャにせよ、当プラグインBkASPilにせよ、Becky!でフィルタリング機能を使っているユーザにとって重要な改善がBecky!InternetMail本体において2005年2月に行われました。(当然のことですが、改善を行ったのはBecky!の提供・販売元であるリムアーツ様であり、当プラグインを提供している開発チームではありません。)

 すなわちBecky!InternetMailの2.20版より「フィルタリングマネージャ」の「フォルダへの振り分け」のオプションとして「デフォルト」「自動」「手動」のいずれかをルール毎に設定できるようになりました。これはフォルダへの振り分けタイミングをフィルタリングルール毎に「受信直後」「手動」のどちらにするかを選べるようにするための設定です。
 このページでは当プラグインの使い方にも影響する上記設定について若干解説します。

・フィルタリングマネージャのオプション「受信時にフォルダへの振り分けをしない」機能

 「フィルタリングマネージャ」はフォルダへのメール振り分け等のルールを設定する機能ですが、もともと、この「オプション」として「受信時にフォルダへの振り分けをしない」という設定があります。
 メールの受信数あるいは分類しているフォルダ(さらにはその階層)が多いユーザは、受信直後にフィルタリングマネージャの振り分けが行われる場合、受信後に数多くのフォルダを見て回らねばならならないことになるため大変不効率です。そのような場合、上の設定で「振り分けをしない」に選択しておくと、一旦全てのメールは受信ボックスに入りますので新規受信メールはそこで確認し、振り分けはそこでの確認後にユーザが手動で「振り分け」操作を行うことで実行すれば良いため、非常に便利です。このような使い方がどの程度一般的かは分かりませんが、私個人としてはそのような使い方をしている人がかなり多いと推測しています。

 上のような使い方は「受信した全てのメールが真っ当なメールであり、ユーザは受信後に全てのメールの中身を確認する必要がある」という前提のもとに作られたと思われ、実際その場合にはほとんど問題がありませんでした。
 ところが....

・上記機能によりspamフィルタとしてのフィルタリングマネージャ利用が困難に

 上記の設定はBecky標準のフィルタリングマネージャを「spamフィルタ」として使うことを困難にすることとなりました。なぜならばspamフィルタリングでは「spamの可能性が高いメールを排除する」ことが目的なので、振り分け前に受信箱に入ってしまうことは他のメールと異なって適切でないからです。

 BkASPil以外にもBecky!と併用できるspam対策用ツールは「POPfile」「SAProxy」「ウイルスバスター2005の迷惑メール監視機能」などがありますが、それらはメールヘッダやメールのサブジェクトに特定文字を付けるだけであり、実際の振り分け動作は標準機能であるフィルタリングマネージャに依存していました。その結果、上述のような使い方をしているユーザにとってはそれらフィルタリングツールのBeckyでの活用には限界があり、その点でフィルタリングマネージャの設定に関係なく「spamの疑いの大きいメール」を指定のフォルダに強制的に振り分けるBkASPilのフィルタリング機能は魅力的だったと思われます。

・新機能のルール別設定でフィルタリングマネージャをspamフィルタに

 しかしながら、最初に述べたように2005年2月のVer.2.20から「フォルダへの振り分け」のルール別に「デフォルト」「自動」「手動」の中から振り分けタイミングを選択できることになりました。
 この機能を利用することで、BkASPil以外のspam対策ツールでもBkASPilと同様に、spamと判定されたメール「だけ」を受信直後に振り分けることが出来るようになりました。

 すなわち、各種spam判定ツールでタイトルやメールヘッダに加えられた文字列を振り分け条件とするルールを作成、その時のアクションとして「フォルダへの振り分け」を選択、そのオプションとしてタイミングに「自動」を選択します。これによりこの条件に合うspamの疑いが高いメールを受信直後に特定の振り分けることが出来ます。

・当プラグインでの利用

  上記設定は当プラグイン利用の際にも活用することが出来ます。もともとBkASPilにはフィルタリングマネージャに関係なく受信直後にメールを振り分ける機能がありますが、

プラグインの設定」の表示−「高度な設定」−「SpamFilter関係の設定

で「spamHit時にフォルダに移動させない」にチェックをし、振り分け操作はフィルタリングマネージャで行うことで、BkASPilの設定では未装備だった以下のような仕様を実現することが出来ます。


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